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そのため、パイロットにとっては、このスポイラーを操作した瞬間、意外に利いた感じがする。スポイラーは、その空気の流れの揚力源になる吸い上げ力により、自然に吸い出される。その状態は、2−44図のようになる。
スポイラー(タイプブレーキ)と、フラップのトリムの変化
まず、スポイラーの場合については、一般に機首下げとなる。その理由は、2−45図のように、L/Dが小さくなるので、水平尾翼の迎角が増加し、水

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平尾翼を押し上げるので、下向き方向のモーメントを発生することになる。そのために、高性能の機体のなかには、スポイラーのレバーと昇降舵の操作機構とをスプリングで結合し、その傾向をなくしているものもある。
フラップを使用した場合については、一般に機首上げの傾向がある。その理由としては、フラップを下げることによって、主翼の洗流角が増加して、水平尾翼の上面から吹き下げられるからである。このために、機首に上向きモーメントがはたらくことになる(2−46図)。

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